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【 交通事故・医療事故 】 命の値段 - 弁護士業界に身を置くものとして

たんぽぽ (2)

 皆様、GW4連休いかがお過ごしでしょうか。お仕事の方、お疲れ様です。
弊職もご多分に漏れず、自宅で起案に埋もれております。

今回は、
弁護士をしていると当たり前となってしまうこと、しかし、皆様が感覚的に疑問に思われること、をちょっと綴ってみたいと存じます。

専門的な内容ではございません。お気軽にご覧頂ければ幸いです。

交通事故の被害者の方、あるいは医療事故の被害者の方が、何らかの後遺障害(これ以上治療を重ねても、もう快方に、回復に向かわない障害)が残ってしまったとします。
あるいは、被害者の方が亡くなってしまったとします。

このような場合、計算する際に何を「基礎収入(損害賠償を計算する時にベースとする被害者の収入」として捉えるか。これは、被害者個々人の現実的収入になるべく近い数字をとる、あるいは算出する、それが裁判所の判断・評価方法であり、弁護士もそれに従って算出しております。

たとえば、
・ 給与所得者 ; 事故前の現実収入額
・ 家事従事者(専業主婦等) ; 年齢等に応じて、対応の賃金センサスを用いることが多い( 「実務の友」より表・・但し年齢別は無し・・・http://www5d.biglobe.ne.jp/Jusl/IssituRieki/Chingin.html )
・ 幼児など年少者・学生 ; 賃金センサスの平均賃金額(男児は男性労働者のの全年齢・学歴計の賃金センサス、女子は男女労働者の全年齢・学歴計の賃金センサス)
・ オーバーステイ外国人労働者 ; 出身国の同年齢男女別平均賃金資料
を「基礎収入」として算出するわけです。

※ ちなみに、男女児の格差を減らす為の基礎収入採用につき、
⇒ 弊職の過去コラム(「男児と女児の命の値段」)をご参照下さい。

◆ 私的雑感 ◆

 裁判所の採用している方法は、将来得ることの可能性があった収入につき、できる限り現実性のあるものに近づける、そのような努力のもとに、判例の蓄積によって出来たものです。

 しかし、一般の方々のなかには、「命の値段が人によって違うのか?」と違和感を感じる方もいらっしゃると思います。特に同じ事故に巻き込まれた場合には・・・。
 私も記憶によるものなので (この分野の本はかなり読み込んでいるので)どの出典か記載できず申し訳ないのですが、JAL123便の墜落事故の際、被害者同士のいさかいが若干有り、「ウチの子は優秀な進学校に入っている。御宅さんの子とは違うんだ。」などとの発言も遺族から出たとも聞いております。

 また、弊職にご相談に見える方にも、同様の疑問をご呈示になる方もいらっしゃいます。

 命に値段をつける、これは非常にセンシティブな問題です。
 私も弁護士として、裁判所の考え方を当たり前のものとして受け容れておりますが、被害に遭われた方々、ご遺族の方々のお気持ちを一層汲み入れながら、実務に当たって行かねばと思う次第です。

乱文、失礼申し上げました。

関連記事

  1. 命の値段と、ビジネスの逸失利益とを、わけて考えればよい気がします。

    • 神長さま、コメント有り難うございます。
      ただ、実際にはビジネスの逸失利益(と慰謝料)が主体です。

  2. 過去コラム(男児と女児の命の値段)をクリックしたら賃金センサスにリンクしているようです.お確かめ&変更をお願いしますね.変更後は本コメント削除下さい.

  3. 命に値段をつけるとは私達にとっては驚きですが仕方ないことかもしれませんね。基準となる数値もあるんですね。

  4. 基本がなければいけませんが、職業による加算などあるのでしょうか。大卒上場企業で生涯賃金が2億ともいわれています。高卒ではその半分とか?

    • おいかわ先生、勤務している方は、事故前の現実収入を基礎にしますので、勤務先で大きな差が生じます。
      賃金センサスを使うのは、あくまでもそれが立証できない場合です(本文でも書かせて頂きました(^^ゞ)

  5. 確かに「命の値段」と考えると地球より重いなどという議論とともに、職業による差はないという考えも成り立つと思います。
    逆に「所得の補償」と考えれば、無職の有職では当然に違ってくるわけで・・・
    休業補償の延長と考えてはどうでしょう。
    つまりは、その両方の合算という概念にはならないのでしょうか?

    • 柴田さま、はい。現在の交通事故や医療事故賠償では、休業補償(ただし症状固定まで)、それ以後、後遺障害が残る場合では「逸失利益」(得べかりし利益)で合算して請求致します。

  6. いつもながら参考になります。僕は日常バイクを使っていて、自賠責のほかに、自動車保険に加入しています。対人無制限の契約になっていますが、保険会社でも事故にあわれた方に応じて、独自の支払い基準をもっているものなのでしょうか。たとえば年収数億円の方と、一般のサラリーマンの方では支払いが数億円も変わってくるものなのでしょうか。

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