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【東日本大震災】(よもやま話)2回目の仮設住宅出張無料法律相談を終えて(紛争解決センター第1号事件骨子など)

皆様、週前半の火曜日、いかがお過ごしでしょうか。私は、間近に迫りつつある確定申告期限を前に、ちょっと憂鬱になっております(/_・)/(ちなみに出費については夫が毎月エクセルで管理表を作ってくれるのですが、収入が・・・手つかず・・・orz)
いつも拙いブログをご覧下さり、深く感謝申し上げます。

さて、既にFacebookの個人のページには、当日何度か携帯から書き込みさせて頂いているのですが、今週日曜日3月4日、原子力損害賠償支援機構主催(弁護士会、行政書士会が支援)の、被災地仮設住宅出張無料法律相談に臨んで参りました。
1回目(1月中旬)は、南相馬市という、新幹線福島駅から自動車で1時間半かかる仮設住宅を訪問しましたが、2回目は、緑が丘東仮設住宅(郡山市。郡山駅から車で15分)を担当させて頂きました。

1回目と2回目では、被災者の方々からの感情の吐露、訴える内容、相談内容がかなり異なってきたのが強く印象に残りました。

1回目は1月中旬(南相馬市)でしたが、この際には、東電発行の書類の書き方などの相談が殆どでしたが、2回目の今回は、東電の賠償額の低さや、あるいは、「いつ双葉町に帰れるのか。お金など要らないから帰れるように訴えて欲しい。」といった、こちらも回答に窮してしまうご主張も多々ございました(政府はまだ、除洗作業をする方向で声明をだしているようですが、被災者の方々はこれが可能であるとは信用していません。過日、同仮設住宅を訪れた専門家が、「除洗など無理だ、あり得ない」とお話されていたようです)。また、涙を流しながら、お身内の遺体確認をなさったことをお話になる方もいらっしゃいました。さらに、「俺の不動産は具体的にいくらになるんだ!そういう説明をみんな聞きたいんだよ!」と語気を強める方も。不動産評価額については弊職側も、築年数や場所等によって具体的に変わってくるでしょう、としか回答できず、もどかしい思いを致しました。

その他、従前の生活のコミュニティーが壊れ、友人、知人が複数の仮設住宅にバラバラに居住するようになり、仮設住宅内でのコミュニティーの構築や、人間関係の構築に苦労しておられる方も多くいらっしゃいました。

皆様ご存知のとおり、東電福島第1原発事故の被災者と東電との間の賠償問題を仲介するために設けられた「原子力損害賠償紛争解決センター」がございますが、紛争処理が遅々として進まないという窮状もあります。やはり、和解案を提示すれば、その後の紛争処理についての基準となり得ることから及び腰になっていた部分もあろうかと推察致します。
その紛争解決センターが昨年(平成23年)12月27日に、第1号事件として仲介委員から和解案が提示されたことは、大々的にニュースとして取り上げられましたので、皆様お聞き及びでいらっしゃるかと存じます。

その骨子は、

Ⅰ) 中間指針からの慰謝料の増額; 個々の申立人の置かれた環境等の具体的事情を考慮して慰謝料が加算できること。

Ⅱ) 内払の提案; 被害者が現時点で確定している損害について一旦賠償を受け、将来の損害等の現時点で確定していない損害については別途賠償請求することを可能にする。

Ⅲ) 仮払金の扱い; 被害者に既払い済みの仮払金につき、紛争解決センターの和解提示額から控除せずに、将来、損害額全額が確定した際に清算する。

という、被害者の方々にとっては、原陪審( 原子力損害賠償紛争審査会 )の中間指針を越える、当面の生活の維持等に資する和解案ないようとなりました。

当初は、東電は上記三点の受け容れを拒否していましたが、最終的には受け容れることとなりました。
また東電は、当初、被害者に対して、「補償金」受領条件として、被害者が、東電が呈示する合意書(「受領後は一切の異議を申し立てない」等の記載がある)の提出を要求していましたが、東電も新たに被害者に送った合意書からはこのような記載が削除されました。
上記紛争解決センター第1号事件の骨子に照らしても、東電が当初呈示していた合意書等の精算条項の法的拘束力は失われることとなるでしょう。

弊職らも、2回目の仮設住宅出張無料法律相談では、紛争解決センターの手続きを積極的に活用して頂くこと、また、個別事件のご相談、ご依頼については、
東京原発被害者弁護団( http://ghb-law.net/ )や、
福島県弁護士会原子力発電所事故被害者救済支援センター( http://business3.plala.or.jp/fba/sinsai_soudan/siensentar.html )
の利用を積極的に検討して頂くこと(※ 多くの被害者が集まっての法的活動を指向しており、費用負担も被害者にとって軽微なものとなっているようです。なお私は、当該弁護団には所属しておりませんが )などの助言をさせて頂く場面が多かったです。
(※ なお、原子力損害賠償支援機構主催(弁護士会へ業務委託)の相談に参加した私共は、相談者からの事件の直接受任はできないことになっています。)

被災地の復興には、国民全体の支援・場合によっては金銭的負担が不可欠になってくると思いますが、一弁護士として、法律家の立場から、微力ながらお力添えできればと思っております。

追伸: なお同業者から聞いた情報によれば、過払金返還請求などを専門としてTVCMを流していたような法律事務所が、過払金返還請求が減少してきた昨今、今度は東電への損害賠償請求が新たな活路であるとして、被災地などを訪れて依頼を促すような活動も行っているようです。
勿論、結果的に被害者の方が利するものであれば批判すべきことでは無いのかもしれませんが、過払金返還請求等で見せてきた姿勢を照らすに、前述の弁護団のような法律家としての支援活動とは一線を画するものであると、私自身は考えます。

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