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【家事】 名の変更 - 毎年、年賀状はきちんと取っておきましょう♪

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皆様、週半ば夜、いかがお過ごしでしょうか。
弁護士は一般的に夜型なのですが、弊職は明日朝会で4時台起きのため、仕事を早く切り上げて帰宅です♪
お仕事中の皆様、お疲れ様ですm(_ _)m。

本日、私が受任しておりました、「名(=姓ではアリマセン)の変更申立事件」の審判書が某家庭裁判所から送達された日でございます。

家裁での審理中、追加書証などを求められ、一般の「名の変更」よりもかなり弱点があったのですが、幸いにして変更が認められました。

「名の変更」の根拠となる条文は、戸籍法になります。
戸籍法107条の2には、次のような記載があります。
「正当な事由によつて名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。」

問題は、この正当な理由です。
この「正当な理由」については、古くは明治時代の太政官や内務省指令から、その後の家庭裁判所の審判結果の積み重ねより、だんだん類型が形成されてきており、概ね以下のような理由がある場合には許可される傾向にあります。
(ちなみに、氏、姓の変更よりは社会に及ぼす影響が少ないので、氏の変更よりは緩やかに解されると考えられています。
⇒ ただ、債務から免れる、前科を隠匿するなどのリスクはありますので、家庭裁判所で許可を受けることになっております。
ちなみに、金融機関やいわゆるサラ金などは、氏名と生年月日での顧客管理が多いです。)

以下、許可される代表的な例を挙げます。

・ 営業上の理由などによる襲名、家系などにおいて代々の当主・家長などが襲名している場合等
・ 珍奇な名前など 
( 皆様覚えていらっしゃるかもしれませんが、以前、子どもに「悪魔」とつけた親がいらっしゃいました。この事件では「名の変更」ではなく、市が「親権の濫用」を理由に出生届を受理せず問題となりました。
  もし出生届が受理されていたならば、本人が15歳以上になれば、自分で「名の変更」の申立てを行い、おそらく変更許可の審判が下るものと思われます。)

・ 難解だったり、難読だったりする名前など。
( 現在、子どもに読み方の難しい名前をつける親御さんも多いですね。)

・ 神官や僧侶になる場合、または還俗(社会に戻る)場合・・・いわゆる宗派での戒名などですね。

・ 親等の近い親族や、近隣に同姓同名の方がいる場合など。
( 特に地方などでは、一族で集落を形成していることが珍しくなく、それぞれの家族を屋号で呼んでいることも珍しくないですね。地方では「名の変更」の申立ては都市部よりかなり多いらしいです。)

・ 本人と名が想起する人物との乖離・・・男女の混同、外国人との混同など。

・ 通称を長年使用してきており(5年~10年程度は必要と考えられています)、個人的・社会的観点から不利益が無い場合。

私が今回受任した例について、個人が特定できない、機密保持に反しない範囲でお話ししますと、とある宗教宗派(※ 新興宗教ではありません)で僧籍に入り僧名を頂いた場合でした。
ただし、僧籍に入るために、例えば何年間どこかのお寺にこもって修行をしなければならない、とかそういう事情が必要ではなく、仕事をしながら、時間があるときにその宗派に属する寺院において一定の修行、宗教を学ぶ、といった制度でございました。

なお、これは宗教により表現が異なるようですが(宗教にお詳しい方、フォロー頂けたら幸いです)、いわゆる得度や出家をして僧侶として宗教儀式が行われる資格が与えられるわけではありません。

今回の申立てでは、正式書類としては、宗派から頂いた僧名の書式(毛筆で僧名が書かれているだけで日付等の記載はなし)しか正式書類がなく(しかも最近)、使用期間も2年程度で長くない事案であり、やはり家庭裁判所から、予想通りここ5年間程度の年賀状の提出を求められました。

依頼者の方は医師でいらっしゃったのですが、遠方の病院複数に勤務されていらっしゃる方で、住居地に戻ることが年に数回程度で、年賀状などを殆ど残しておらず、その他残っている書簡も、遡って2年程度しか保管していらっしゃいました。

したがって、ダメ元ではありましたが、最近の写真ながら、勤務先病院に患者さん向けに掲示してある医師担当表 (例えば、水曜日午前は○×先生、といった表です)に記載のある僧名の写真を添付して提出致しました。

結果としては、家裁の審判官(裁判官)はかなり悩んだものと思いますが(結構時間がかかりました)最終的には「名の変更」を認めて頂きました。
ただし、審判が下りるかどうかは、かなり微妙な事案であったと当職は考えております。

これからの人生、自分がどのような道を歩むか、誰も確実には分からないと思います。
もしかしたら、「名の変更」を行いたい、あるいは婚姻等にともなって親族等との混同を生じ、変更を行わざるを得ない、といったことも考えられます。

したがって、裁判所が一番重視していると思われる、遡って5年程度の年賀状(勿論、変更したいと思っている新しい名前宛に来ているもの)は、若干数でも構いませんので、是非保管しておいて頂ければ、と思います♪

ご参考になれば、幸いです♪

(※ 文中の写真は、「フリー素材写真・足成」様から使用許諾を得たものです。)

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  1. 勉強になりました…。少し古い表現ですが「へぇ~」です!!

  2. 私の母も別の名前を使っています。御近所さんも新しい名前で呼んでいます。でも家裁に審判を仰ぐつもりはないようです。これって通称ですね?

    • 大石 佳典さま

      いつもコメント下さり、大変励みになります。感謝申し上げます。
      お母様の件、仰るとおりですね。
      ただ、なぜその通称を使わざるを得ないのかが問題になります。
      正直、私も氏の改姓ををしたいぐらいです。
      過去の論文等の実績が断絶してしまわないように、旧姓を弁護士会に届けて使っておりますが、後見人などの公的業務では結婚姓になりますし、供託金を戻して貰うのも本当に大変です。
      なんとかならないものでしょうかね・・・。

    • しょう 美奈子 さま 私の母は若い時に病に倒れました。それ故名前を変えてみたらしいです。ですからたいしたことではないのです。それより変えた名前で付き合ってくれた隣人、友人に感謝してます。ちなみに母はお陰様で元気になり現在は少々ボケぎみですがのんびり暮らしております。結婚しても姓を必ずしも変える必要なし。となれば良いですね。

  3. @植田 渉さま、一応下調べしてから、経験加えて書いているので、とても励みになります!

  4. 拍手!です。

  5. 田舎の弁護士ですが、名の変更申し立てなんてやったことが無いです。ずいぶんシブい仕事をされていますね。

  6. 植田 渉さま、結構色々珍しい事件もございますでしょ♪

  7. Maki Taniguchiさま、うげ、判事の方がご覧下さっていると思うと、迂闊なことは記せません(^^ゞ

  8. 大西 秀憲先生、いえいえ、私もいきなりの事件でかなりびびりましたよ~~((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。家事といえば離婚、どろどろの相続って感じでしたから・・・(^^ゞ。
    今度は、大昔籍だけ入れて、今は中国に帰って行方不明の奥さんと離婚する手続きを取らなくちゃなりません。調べ物が必要ですorz。

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