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【 訴訟全般 】 業務日報、業務日誌は、きちんと作成・保管しておきましょう。(フランチャイズや工事案件について)

こんばんは。3連休最後の月曜深夜、如何お過ごしでしょうか。
本日は、私が携わっているフランチャイズ業務その他、あるいは建築事件等での経過等につき、業務日報をきちんと残しておきましょう・・・何かのために役立ちます。というお話です。

 

 

 

 

 
最悪、相手方(お施主さんだったり、加盟店だったり)から原告(建築業者なり、本部だったり)から訴訟が起こされるとします。
その際、「これはきちんとやって、その時相手方だって認めたんだから、今更否定しないよ。」と仰る方が企業ご担当者の中でもいらっしゃることがあるのですが、それは違います。
裁判の場合、最悪のケースを想定して考えていた方が宜しいことは、「言った、言わないは、相手方は絶対にひっくり返してくる。」ということ。
一応民事裁判であっても、証人尋問の際、証言者や本人が嘘をつくと、偽証罪に問われる、科料の制裁を受ける等の説明があるのですが、特に重要性はございません(後日調べ治して、これら制裁にかけるということは有りません。)

◆ フランチャイズ本部の場合

フランチャイズ本部で一番法律紛争が発生しやすいのは、「フランチャイズ契約締結過程における紛争」です。(※ 開業前の説明義務違反、とも言われます。)
フランチャイズ契約を、本部と加盟店が行う場合の流れを簡略化しますと、

(1) 本部の行う説明会への加盟店希望者の参加
              ; 事業内容説明・本部から提供されるサービスの説明
(2) 加入を検討する加盟者からの加盟意思の表明
       ; 加盟店事業の検討、資金の手当て方法の検討など。
(3) 本部から加盟店への契約書面の提示(読み合わせ等も行う)
       ; 加盟店側の店舗候補物件の選択
       ; 店舗候補物件についての売上予測調査

ここで問題となりやすいのが、
(1) 売上・収益予測についての、本部の情報開示提供について
 ⇒ 概略 : 「売上・収益予測についての情報を本部が加盟店希望者に対して開示・提供する義務自体はない。ただし、これを任意に提供する場合には、その内容が虚偽のものであったはならず、合理性・相当性を有するものでなればならない。

(2) 立地調査に基づく売上・実績予測のないようについて
⇒ 概略 : 「本部が用いる売上・収益予想の方法の裁量は広いが、その手法の具体的運用(関係データの収集・あてはめ)について、相当性・合理性があるかについての説明を付けることができる程度のものであるかどうかを検討して、それにより、売上・収益予想についての結果が客観的・的確・性格・適正な情報といえるか否かを判断する。」

(3) また、近年問題となっている、本部が採用している、加盟店との間の会計方法等についても、加盟店契約の締結段階について、十分に説明を行うことが望ましい、
と言われております。

★ このような問題で、「説明を受けた」「受けていない」という対立問題を引き起こさなければならない場合には、「説明方法・手法をマニュアル等でを統一化」を図り、さらに、各説明担当者、勧誘担当者において、どのような説明を終了したか、及びそれに要した時間等を、業務日報に詳細に残しておくことが、後の紛争の助けになります。

◆ 建築現場での場合

・ 建築現場で難しいのは、当初は、お施主さんとの間で工事請負契約書を締結し、各種工事図面、見積書内訳をお渡しするのですが、その後、お施主さんの希望で用いる材料が変更となったり、物資の納期遅れにより、他の物資によって代替することにより工事の遅れを防いだり、あるいは、お施主さんの要望で追加工事を行ったりすることがあります。

・ 工事を行っていく上で、どうしても現場合わせ等で寸法が変わる部分、設置方法等を変更する場面が出て来ることがあります。
特に内装工事で、建物所有者から出された書面が、実際の大きさと異なることもあります。
また、お施主様からの予算的要望で、一部木材を合成材に変更したり、天井懐がなかったり、出入口と内部との段差を減らすために一部工法を変えたり、厨房の水が勾配の関係でグリストラップの位置を変えたり・・等々のへ変更を行うこともあります。
その他、お施主様の後からの要望で、各種設備を取り付けたりするようなこともあるでしょう。

しかしながら、これらについても、後日紛争となり、その当時は説明を行った場合であったとしても、「説明を受けていない。」「何のことか分からなかった」等の反論をなさることが多いです。
したがって、やや工事内容によっては現実的ではないのですが、その都度議事録を残しておくことを東京地裁等は薦めており、これが無いとなかなか認容頂けるのが厳しい状況になります。
以上、ちょっと難解になりましたかもしれませんが、ご参考になれば幸いです。

※ 追伸 : たしかに業務日報や議事録は、紛争当事者が作成したものではあります。しかしながら、日々作成していた資料と言うことで、証明力は高く評価されますので、是非お残し下さいませ。

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