
5.32012
いつも当サイト、あるいはFacebookページをご覧下さいまして、本当に有り難うございます。
少しは、お役に立てておりますでしょうか。
こちらでは、法律のコラム、導入部分を書かせて頂いておりますが、実際お困りの点がございましたら、微力ながらお力添えできるかと存じますので、是非お問い合わせ下さいませ!
さて、本日も昨日に引き続きまして労働問題でございます。私は仕事柄、会社側も労働者側も担当することがございますが、会社側につきましては、そもそもタイムカードで管理していない事例があったり、労働者側につきましても、会社側に残業代を請求したいけれどタイムカードのコピーができなかった、等の事情がある場合がございますので、実務経験などに基づいて軽く綴ってみたいと存じます。
◆ 残業代請求権の短期消滅時効 ー 労働者の方はご注意を! ◆
残業代の請求は、請求から遡って2年分しかできません。
もし、2年分では時効にかかってしまう部分が次々生じてしまう場合には、時効を中断する必要がございます。時効中断等については、弁護士に手続きを任せた方が無難ですので、遠慮なく当職、あるいはお近くの弁護士にご相談下さい。
◆ タイムカードがない、どうしよう! ◆
まず会社経営者側の皆様、厚生労働省が、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」の策定について
を発表しています。タイムカードはその主たるものであると考えます。もし現在、労働者の労働時間の適切な管理をしていない場合には、早めにご対応なさることをお勧めします。
◆ タイムカードが裁判所でどのように扱われるか ◆
皆様、おそらくタイムカードについては、出社する際に打刻し、さらに退社する際に打刻しているのが一般的であると存じます。これについては、会社側からみれば、必ずしもその間の時間の全てをこの社員は労働しているわけじゃないじゃないか!(これは労働者の勤務態度等にもよるかと思います)と主張なさりたい場合もあると思いますし、確かにお気持ちはわかります。
しかしながら、多くの判例は、タイムカードを重要な証拠として、各労働者の労働時間を推定し、これを覆すためには、会社側で具体的に、この社員はタイムカード記録の全時間を労働しているわけではない(例えば、他の同部署の社員の陳述書であったり、担当職務に通常必要とする所要時間であったり、あるいはパソコンの起動時間、ログアウト時間であったり)を具体的に主張する必要が出て参りますので、会社側としては留意が必要です。
◆ タイムカードのコピーなんて手元にないよ! ◆
多くの労働事件では、労働者の方は、残業代を請求しようとする場合、予めご自分のタイムカードをコピーしておく、などの方策をとることが多いと思います。しかしながら、そのようなものは準備できなかった、そういう場合もあるでしょう。
その時、残業代の請求を諦めなくてはならないのか、いいえ、その必要はありません。
確かに、タイムカードは残業代の請求にとっては重要な証拠となります。しかしながら、ご自分で、例えば手帳などに、日々出社時間や退社時間を記載しておいたものがある場合などには、それも一定の証拠として認められることが多いので、その習慣をつけておくといいでしょう。
もし、そもそも手帳になにも記していない、そういう場合もあるかもしれません。その場合、前述した場合によっては立証は難しいですし、実際の残業代計算よりはアバウトになってしまいますが、自分の日々課されている仕事量の所用時間などを詳細に主張していくことによって、だいたい日々このぐらいの残業が発生して当然だな、という認容が受けられる場合もありますので、諦めるのは早いです。
是非、当職、あるいはお近くの弁護士にご相談下さいませ。
取り急ぎ綴ってみましたが、ご参考になりましたら幸いです♪
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