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【 東日本大震災 】 過払い金返還訴訟を主要業務としてきた事務所が仮設住宅に・・・・。

 こんばんは。お疲れ様です。
金曜早朝、いかがお過ごしでしょうか。

 弊職が先週日曜日、原子力損害賠償支援機構からの東京三弁護士会への弁護士派遣委託による、一担当弁護士として、福島県川俣町の仮設住宅を訪問し、無料法律相談会を行ったことにつきましては、同日の法律コラムで綴らせて頂いたとおりでございます。

あの東日本大震災、そして福島第一原発爆発からもはや一年余りが経とうとしておりますが、津波被災地では大量の瓦礫問題が山積し、放射能汚染被害を受けた地でも、仮設住宅に大勢の方々がお住まいになり、元々あったコミュニティーは崩壊し、生活基盤のみならず精神的にも苦痛を抱えながら暮らしている方々が多くいらっしゃることを痛感致します。

 以下は、同じ弁護士として、記すべきかどうか悩みましたが、被災地の方々から直接苦情が上がりましたので書かせて頂きたく存じます。

仮設住宅にて相談に応じさせて頂いたところ、「一回来た弁護士に、『東京電力の書類の書き方を教えて欲しい』と尋ねたが、全く教えて貰わなかった。訴訟にしろと言われ、東電から受け取った報酬金から30%くらい弁護士報酬になる、と言われた」、「もう弁護士は信用できないと思っていた。」
等々のお恥ずかしい話を聞かされました。

これでは、何のために弁護士会が受託して弁護士派遣を行っているのか分かりませんので、弁護士会の方に伝えるべきかと考えておりましたところ、当法律相談を管轄していらっしゃる原子力損害賠償機構の職員の方から、「今の相談者が仰っていたことは、弁護士会からの派遣の弁護士ではなくて、テレビとかでCMを流しているような法律事務所が独自で仮設住宅を回って、被災者の方々から受任をしようとしている時のことを指しているのだと思います。」
とのこと。

たしかに、今まで、僅か少数の弁護士で、大量の事務職員を雇い、流れ作業でサラ金への過払い金請求で巨額の利益を上げていた事務所が、過払い金請求が少なくなった今、「今度は東電への請求だ」との発想で、色々な仮設住宅を回っているという噂は何度も耳にしておりましたが、被災者の方から直接伺って愕然と致しました。

そこで、もし皆様のご親戚、知人、ご関係者に原発被災者の方々がいらしたら、後で辛い思いをなさらないように是非、お伝え頂きたいのです。

現在、東京の原発被災者弁護団をはじめ、各地で弁護団結成の動きが進み、大勢の被災者の方々の費用的ご負担とない形で、実際に「原子力損害賠償紛争解決センター」(和解仲介)に申し立てたり、訴訟提起の準備がなされています。

 これらの弁護団では、数多くの弁護士が参加し、情報交換し、書面を推敲し、弁護団毎に違いますが、着手金(事件をお受けする際に頂戴する金員)は1~2万円程度、報酬金(事件終了時に、解決金に従い頂戴する金員)は、東京弁護団では5%という、被災者の方にできるだけご負担のないかたちで被災者から受任をしています。

 もちろん、前述の、過払い金請求から移行したような弁護士事務所が行っている行為は、一般の営業行為であり、また、成功報酬も、着手金を抑えていることを照らせば、弁護士報酬会規(正式には数年前に廃止になりましたが、多くの弁護士が基準としております)に基づけば相当額ではあると存じます。

したがって、是非、被災者の皆様には、巡回している弁護士事務所(勿論、過払い金請求弁護士のみではなく、特に御地元の事務所など、誠実に今回の被害救済に動いていらっしゃる事務所もあろうかと存じます。)、そして原発被災者弁護団、双方のアプローチがあること、それぞれは別であることをご理解頂いたうえで、交渉や紛争解決処理等をご依頼なさって頂きたいのです。
ご親族、知人、ご友人等に原発被災者がいらっしゃる方、何かの折に、このことをお伝え下さったら幸いです。

なお末尾に、東京、福島のご相談窓口を記載致しますので、ご参考になれば幸いです。
東京 原発被災者弁護団 ; 0120-730-750 
    http://genpatsu.bengodan.jp/
福島県弁護士会原子力発電所
事故被害者救済支援センター ; 024-533-7770
    http://business3.plala.or.jp/fba/sinsai_soudan/siensentar.html

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