
8.162011
(Facebookページに2011,6,6に投稿した記事を転載したものです。)
弊職FaceBookページをご覧になって下さっている方、その他SNSでフレンドとなって下さっている方々には、ドクターでいらっしゃる方々も多いので、お叱りを受けてしまうかもしれませんが、ちょっとだけお許し下さいm(_ _)m。
本日(2011,6,6)は午後中、とある医療機関にて証拠保全手続をしておりました。
証拠保全とは、医療過誤の虞れがあるとき(あくまでも”虞れ”です)、訴訟の準備段階において患者側が医療機関を相手方として裁判所に証拠保全申立てを行い、これが裁判所で認められて決定が下った場合、裁判所(裁判官、書記官)が当該医療機関を訪れて診療録や看護記録、レントゲンフィルム等々の現状の検証を行う手続です(後日、万一、カルテ等が改ざんされることを防ぐため)。
裁判所が証拠保全決定を下した場合、通常は、実施当日の約一時間前に裁判所執行官が医療機関に証拠保全決定書をお渡しし、”何時より患者○×さんのカルテ等の証拠保全を行います”との旨をお伝えします。
そして開始時刻には裁判官、書記官、患者側代理人、プロのカメラマン(患者側代理人が手配します)等の複数名が医療機関に赴き、診療録、看護記録、レセプト控え、ドクター当番表等々を医療機関にご呈示頂き、その場でプロのカメラマンに1枚1枚写真を撮って頂き、現状を把握させて頂くことになります(通常、午後いっぱいかかることが多いです)。
医療機関にとりましては、ご多用のところ突然のことであり、大変なご迷惑をお掛けすることになるのですが、患者側にとりましては手持ちの証拠が無いことが殆どであり、これらの証拠記録の現状確保が不可欠ですので、ご理解賜れればと存じます。
なお、証拠保全実施後に、患者側代理人は診療録等を拝見し、文献に当たったり専門医の方のご見解などを頂戴しながら勉強させて頂き、医療機関側とお話し合いで円満に解決できることも多いです。
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