
5.312019
ベンチャー企業様、スタートアップ企業様、あるいは中小企業様より新規に立ち上げる事業やビジネスモデルについての基本契約書のドラフトチェックのご依頼を受けることが多くございます。
弁護士に対して契約書作成を一から依頼する場合と、
契約書ドラフト自体があって内容チェックを依頼する場合では、
一般的には確かに多少の価格差が生じることが多いです。
したがって、弁護士費用をなるべくかけずに契約書を作成しようとのご判断から、社内で複数名のスタッフの皆様が貴重な時間と労力を割いて契約書ドラフトを起案し、弁護士には「契約書のドラフトチェックをお願いします。」とご依頼なさる企業様も少なくありません。
依頼を受けた当職は早速ドラフトを拝見させて頂くのですが、社内で一所懸命起案が行われた状況は窺えるのですが、その作業内容は残念ながらネット上で出回っている複数企業の契約書類やテンプレートの条項を寄せ集めて継ぎ接ぎしたようなものが多いのが実情であり、契約書として推敲した場合に条項同士の内容が矛盾だらけだったり、不必要に重複していたり、さらには法的に有効となり得ない条項が見受けられたりするのが現実です。
結局、当職において改めてご依頼企業様からビジネスモデル詳細につき十分ヒアリングをさせて頂き、企業内で多くの労力を割いて起案された契約書ドラフトの原型をとどめないほどに加筆、修正、削除等の膨大な作業をさせて頂くことになります。
結果としては当該契約書を当職が一から起案したのと同じ状態となり、企業内でドラフト起案のために割かれた貴重なお時間や労力が無駄になってしまいます。
1つの契約書の中にはストーリーがあり、条項の順序や契約書内での位置付け1つ1つに意味があります。
個々のビジネスモデルに応じて必ず設けるべきと考えられる条項があり、
個々のビジネスモデルに応じて知的財産権の帰属やマネジメントの最善策は異なり十分な検討を要し、
個々のビジネスモデルに応じて法令法規や過去の判例に抵触しない内容で定め、表現すべき条項もあります。
新規ビジネスの立ち上げにとって基本契約書はその根幹ともなります。
企業の皆様はそのビジネス分野のご専門家でいらっしゃいます。
契約書ドラフト起案のために貴重なお時間や労力をかけるのではなく、初めから基本契約書自体の作成一切を弁護士に委ね、弁護士に対してはビジネスモデル、ビジネススキームにつき情報を共有させて頂き、企業内スタッフの皆様のマンパワーを本来のビジネスに集中投資なさった方が結局、時間的にもコスト的にも企業の皆様にとって大きなメリットに繋がります。
是非、弁護士を上手く活用なさって下さいませ。
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