
8.172011
(Facebookに2011,5,19に投稿した記事を転載したものです。)
皆様こんばんは。これを書いた頃は、間もなく株主総会シーズンが近づいてくる時期でございました。
流通業界では5月総会の企業も多く、私ども弁護士も株主総会リハーサルなどに追われることとなります。
今日は、株主総会を取り上げてみたいと思います。(現在、会社法では、色々な機関設計のパターンの株式会社があり、本当はそこから掘り下げないとならない話なのですが・・・ちょっと省きますm(_ _)m)
株式を公開している大企業などが該当する、取締役会設置会社では、日々の会社経営のなかで必要となる意思決定は機動性のある取締役会に委ねることになりますが、計算書類の承認・定款変更・一定範囲の自己株式取得・取締役の選任等、法令や定款で定められている会社の根幹的事項については、出資者である株主で構成される株主総会で意思決定がなされる必要があります。
そのため、会社にとって株主総会は重要機関であり、会社法では、いかなる規模の会社であっても、毎年1度決まった時期に必ず株主総会を開かなければならないことになっています。
これに対し、会社を興したばかりで未だ社外株主がおらず、株式に譲渡制限を付しているような小規模のベンチャー企業では、法的に設置が義務づけられている機関は株主総会、及び1名以上の取締役のみとなっています。
このような取締役会非設置会社では、株主総会で会社組織、運営、管理その他会社に関する一切の事項について決議をすることができることとし、株主総会は、いわばオールマイティーな機関として位置づけられています。
あなたが起業して、今後個人投資家やベンチャーキャピタル等の社外株主の支援を受けて会社を大きく成長させ、株式上場を視野に入れているならば、総会を適切に運営できるかどうかが、会社を動かし発展させていく上で、近い将来に必ず重要なポイントとなりますので、現段階より取締役会設置会社の株主総会をも視野に入れた株主総会の手続き等を理解し、総会運営に取り組んでいくことが望ましいと言えます。
また公開会社の総会は、複数の社外株主が一堂に会する唯一の場ですから、会社のスタンスやカラーをアピールし、株主から一層のサポートを獲得するまたとないチャンスにもなるのです!
◆ 株主総会の議案となるものは? ◆
取締役会設置会社の株主総会で、一般に議案となるものは次の通りです。
・計算書類(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表)の承認と、事業報告の内容の報告
・定款変更
・取締役・監査役の選定、解職
・役員報酬や、退職役員への退職慰労金支給の決定
・一定の自己株式の取得
・募集株式・新株予約権の対第三者有利発行の募集事項
・合併契約書の承認
※ 『はじめの一歩シリーズ 会社を経営するならこの1冊』(共同執筆、ベンチャーサポート研究会編、自由国民社)の、弊職執筆担当部分より抜粋し、部分的に平易な文言に変えたものです
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