
8.182011
(Facebookに2011,5,7に投稿したコラムを転載したものです)
既によく知られていることではございますが、養育費の支払期間とその金額算定について軽くご紹介させて頂きたいと存じます。
子どものいる夫婦が離婚する場合、夫婦のどちらか一方が親権者となって子どもを将来にわたり養育していくことになりますが、離婚する夫婦間において、親権者(厚労省の統計では8割以上の場合で母親が親権者となっております)に対し、親権者ではなくなった者(統計上多くの場合が父親)が、子どもの衣食住、医療費、教育費等に充てる費用を毎月支払うということが多く取り決められます。これらの費用を一般的に「養育費」と呼んでいます(正式には法律用語ではありません)。
養育費が支払われる期間については、調停で離婚する場合には、離婚の成立した日の属する月から開始するものとすることが多く、終了については、「子どもが成人に達する月まで」とすることが多いですが、場合によっては、「未成年者が満22歳に達した後の3月まで(大卒時)」とすることもあります。
そして養育費の金額ですが、これについてかつては煩雑な問題となる場面が多くございましたが、家庭裁判所裁判官・調査官が中心となって「養育費算定表」が作成され、これが平成15年4月より現在に至るまで、家裁の調停や審判手続に活用されており、裁判所のサイトで公開もされております(末尾リンクのとおり。本サイト「図書館」にも収録しております)。
「養育費算定表」は、子どもの人数や年齢構成に応じて9種類の表が作られていて、いずれの表も、縦軸に義務者(=養育費を支払う者)の年収が,横軸に権利者(=養育費を受け取る者)の年収が記載されており,それぞれ該当する縦軸と横軸の交点が相当な養育費の額と解されています。
また、子どもが複数の場合の算定表の額は,複数の子どもの養育費の合計額となっています。
年収の求め方については、
・ 給与所得者の場合:「源泉徴収票」の「支払金額(税金控除前の金額)」
・ 確定申告者の場合: 確定申告書第1表右上の「課税される所得金額」に基礎控除、青色申告控除等の実際に支出されていない控除費用を加算したもの、がそれぞれ該当します
(詳細につき:「裁判所・養育費算定表の使い方」
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou.html
ご参考になれば幸いです。
★「裁判所・養育費算定表」(PDF)
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/pdf/youikuhi_santei_hyou/youikuhi_santei_hyou.pdf
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