
8.182011
(Facebookに2011,5,1に記載したコラムを転載したものです。)
現在、様々な業種・分野で電子化、インターネット化が進んでおりますが、私共弁護士業務は、まだまだ紙媒体がメインでございます。と申しますのも、裁判に提出する訴状や準備書面類は紙媒体書面で提出することになっておりまして、大量の証拠類の殆どについても同様でございます。
したがって、争点が多く書面のやりとりが膨大になっている訴訟、建築や医療等の専門的な訴訟(証拠類が膨大になりがち)等については分厚いファイルを何冊も作ることになり、以前の「よもやま話」で書かせて頂きましたとおり、裁判所の周囲ではドキュメント類を詰め込んだ重いキャスターバックをゴロゴロ引き摺った弁護士の姿を多く見かけることになるわけでございます。
弁理士の先生方の主要業務となる、特許出願等に関しては、特許庁は手続の効率的な処理を促進するため、全手続の電子化を推進しており、逆に、各種手続を紙媒体で提出する場合には、電子化手数料の徴収を受けることとなっている実情に比べて大変な違いです。
しかしながら、裁判所での訴訟手続以外の業務におきましては、電子化も進んでおります。
一番ポピュラーなところでは、「電子内容証明郵便」でしょうか。これは、日本郵便のサイトで氏名やCreditCard番号の登録、及び専用ソフトのダウンロードをする程度の準備のみで、その後は手元にパソコンがあれば、どなたでも、いつでも、どこでも、そして郵便局に出向かなくても、内容証明を発信できますのでとても便利です。
http://enaiyo.post.japanpost.jp/mpt/
(電子内容証明郵便サービスサイト・日本郵便)
また、民事法務協会による、「登記情報提供サービス」もCreditCard決済によりどなたでも利用できますので、便利です(※ 但し、あくまでも登記情報を確認するためのもので、これを印刷しても、認証文や登記官印がありませんので、証明書にはなりません。)
http://www1.touki.or.jp/gateway.html
(登記情報提供サービスサイト・民事法務協会)
その他、医療事案関係では、医学中央雑誌(医中誌・医学中央雑誌刊行会)Webで医学論文の検索や、欲しい論文の郵送取得ができますし、今日の診療プレミアムWeb(医学書院)でも書籍13冊から欲しい情報を印刷入手することができます。ただし双方で月額1万弱の費用負担が必要となります(私も登録・使用しております)。
http://www.so-net.ne.jp/m3/k-shinryop/
(今日の診療プレミアム・月額4000円程度必要)
http://www.jamas.or.jp/
(医学中央雑誌・月額4000円程度必要)
さらに、民間業者において、住宅地図のオンライン閲覧・印刷サービス等の提供もございます。
そのようななかで、東京簡易裁判所は、支払督促手続きのオンラインシステムを確立しております。
ただこの手続きには、電子認証によって手続を行うため、電子証明書を事前に取得していることが必要となります。弁護士がこれを利用する場合に支障となるのは、クライアント様の代理として手続を行うために必要な委任状につき、クライアント様の電子証明が必要となることです。これが大きな障害となり、私は現状では利用しておりません。
http://www.tokuon.courts.go.jp/AA-G-1010.html
(督促手続オンラインシステム・東京簡裁)
今後も、弁護士業務の色々な分野で、電子化やインターネット化が進むと有り難いと思っております。
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