
8.202011
(Facebookに2011,3,6に投稿させて頂いたコラムを転載したものです。)
今夜は交通事故で支払われる保険金額(損害額)につきまして、軽く書いてみたいと思います。
(正直申しますと、このページに「いいね!」を下さっている方々や、FacebookなどでジでFriendになって下さっている方々の中には損害保険会社の方もいらっしゃるので、ちょっと気持ち的に書きづらい部分もあるのですが・・・保険会社の方、ちょっとお許し下さいませm(_ _)m)
不幸にも貴方が自動車に跳ねられて怪我を負ってしまったとします。
ある程度の期間の治療を受けて、治療を継続してもこれ以上は良くはならない状態(=症状固定、といいます。※医学用語・概念ではありません)になった時、いよいよ加害自動車側が加入している任意保険会社との示談交渉が通常始まります。この段階で、保険会社側から、保険金呈示額といったようなタイトルの、各費目毎に保険金額が記入された一覧表(があれば良い方。書面で保険金額の提示が無い場合は、必ず出して頂くようお願いしましょう!)とともに、金額が記入された免責証書(示談書)に署名・捺印するようにとお願いされることがあります。
ただ、残念ながら、任意保険会社が呈示してくる保険金額は、一般的に、「保険会社基準」といった、いわゆる社内基準であることが殆どです。この「保険会社基準」は、貴方が実際に裁判を提起した場合に裁判所が認容してくれる金額とは開きがある(低い)ことが多いのです。特に、慰謝料(入通院慰謝料と、後遺傷害慰謝料・・後遺傷害がある場合)において金額的開きがあります。
私共弁護士は、交通事故損害賠償交渉において、いわゆる「弁護士基準」(赤い本・青い本基準とも)を用います。
(財)日弁連交通事故相談センター東京支部は、毎年、右上写真の「損害賠償算定基準(上・下巻、下巻は東京地裁交通部裁判官講演録)」を、中身に収録している資料や文章、膨大な裁判例を洗い直す作業をした上で発刊しています。これは通称「赤い本」と呼ばれていて、過去の裁判例をデータベース化・類型化しながら集積し、一定の金額的指針を掲載しております。
一般的傾向としては、「保険会社基準」<<裁判を提起した場合の認容額≦「弁護士基準」(赤い本)というところでしょうか。
保険会社側から示談金額の呈示を受けた場合には、一旦それをお預かりして、是非一度弁護士に相談なさるか、各都道府県にある(財)日弁連交通事故相談センター各支部の法律相談をご利用されることをお薦め致します。
(財) 日弁連交通事故法律相談センター(各県相談窓口が検索できます): http://www.n-tacc.or.jp/about/index.html
現在、私自身も幸せなことに (財)日弁連交通事故相談センター東京支部の支部委員を仰せつかっておりまして、「赤い本」の編集にも末席ながら携わらさせて頂いております。それゆえ、ちょっぴりセンターの法律相談の宣伝もさせて頂きました(^^ゞ。
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