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【人格権・IT】 一般人の肖像権についての扱い

こんばんは。土曜日(既に日曜日ですが)の深夜(というか早朝3:00)、いかがお過ごしでしょうか。(兼、おはようございます!)
今夜は、以前「有名人の肖像権」に関してご質問を頂いた、「一般人の肖像権」について考察してみたいと思います。
(※ インターネット上に友人達と撮った写真をアップロードすることも多いと思いますので)

「肖像権」は、著名人の場合は、「財産的価値を保護する権利」(=一般人には認められない財産的価値がある場合が多い)の側面から論じられることが多いですが、一般人の場合には、人格権から派生し、「人が自己の肖像をみだりに他人に撮影されたり使用されたりしない権利」等と定義されることが多いです。

最高裁判所判例(平44.12.24・京都学連事件)では、「個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有する」と判示しており、一般人の肖像権を認めています。

ただし、” 撮影した写真の一部にたまたま特定の個人が写り込んだ場合や不特定多数の者の姿を全体的に撮影した場合 ”にまで、一般人の肖像権侵害が認められ、ホームページ上の掲載の差止請求が認められる、あるいは損害賠償請求が認められると考えるのは行き過ぎであり、一般的ではないと考えます。

この点、「街の人」肖像権侵害事件(東京地裁平成17年9月27日)では、事案の詳細は省きますが、その判示のなかで、

「本件写真は原告女性の全身像に焦点を絞り、その容貌もはっきり分かる形で大写しに撮影されたものであ」ること、
「本件写真は、原告女性の全身像に焦点を絞り込み、容貌を含めて大写しに撮影したものであるところ、このような写真の撮影方法は、撮影した写真の一部にたまたま特定の個人が写り込んだ場合や不特定多数の者の姿を全体的に撮影した場合とは異なり、被写体となった原告女性に強い心理的負担を覚えさせるものというべきである。」

と述べられております。

このことから、すなわち、
⇒ 人物の全体像に焦点を絞り、その容貌もはっきり分かる形で大写しに撮影されたもの・・・・肖像権侵害の成立する可能性が高い。

⇒ 撮影した写真の一部に偶々特定の個人が写り込んだ場合や不特定多数の者の姿を全体的に撮影した場合・・・・肖像権侵害の成立する可能性が低い。
と考える事ができるでしょう。

また、自分自身で撮影した写真で無く、他の人が撮影した写真を利用する場合には、撮影者の著作権侵害を伴う場合が多いので、別途注意が必要です。

ご参考になれば、幸いです。

※ 挿絵については、無料写真素材「足成」さんのものを使用させて頂きました。

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