
2.72012
こんばんは。週半ばの夜、如何お過ごしでしょうか。
弊職は、午前は東京地裁で建築訴訟、午後さいたま地裁で労働審判(こちらは法テラス案件、ちょっと金額的にはボランティア的だな・・orz)、と、ちょっと重めの(荷物が・・特に建築訴訟のドキュメントが・・・)案件ダブルでございました♪
建築訴訟にも、労働審判にも、通常の一般訴訟とはちょっと違う争点整理ややりとりがあるのですが、(電子化が遅れている法曹業界でも、建築訴訟で用いるエクセル作成の「瑕疵(=欠陥)一覧表」などは、裁判所と相手方に電子メールで送るんですよ~。)
今回は、労働審判について、軽く書かせて頂こうと思います。
なお、このコラムで使用している写真は、私が気に入っている、「フリー素材屋hoshino」 さんからお借りしています。
労働審判制度の詳細については、本サイトの「図書館(原稿・資料等)=Facebookページと連動」 の中の、「労働審判講演レジュメ」(労働審判制度が始まった頃に、社労士21グループさん相手に講演させて頂いたレジュメです。)に書かせて頂いているので、ご参考にして頂けたらと存じますが、本コラムではごくごく簡単に・・・。
もともと弁護士には守秘義務があるのと、本日の和解条項に守秘義務条項がわざわざ入っているので、詳細については一切申し上げられませんが、いわゆる職場でのパワーハラスメントに関する損害賠償請求です(今回は、私は労働者側。労働審判は顧問先など使用者側でさせて頂くことも多いです)。
一般的に、労働訴訟は事実関係において詳細に争いになることもあり、訴訟が長期化することも多く、書証(証拠)も膨大になることが多いです。このような実情を踏まえて、労働問題を早期に(審理できるのは3期日以内)、そして柔軟に解決する方法として平成18年に採用されたのが「労働審判」制度です。
「労働審判」では、裁判官(労働審判官)1名と、2名の労働審判員(専門的有識者、労使側から各1名)によって審判体が構成され、まずそれぞれの当事者本人(労働者本人、会社側責任者など。都度弁護士代理人がフォロー)から直接事情を聞きます。
そして、労働審判体が双方の言い分を聞きながら評議をし、「このような条件で和解したらどうですか。」と具体的な調停案が何度か出されます。
この調停案で解決できない場合には、訴訟での判決に相当する「審判」が下されます(これに対しては、双方、一定期間内に異議を述べて通常裁判に移行させることができるのですが、労働審判を行った裁判所の担当部と同じ担当部で裁判が行われるので類似の判断が下る可能性が高く、訴訟に移行させず、労働審判で解決する割合は非常に高いです。
※ ちなみに弊職は、名古屋地裁で会社側で労働審判を受けた際、審判では100万円の解決金を支払う義務が呈示されたことに対し、会社側の意向で異議を申し立てて訴訟に移行し、金額が大幅に下がった経験がございます(^^ゞ。
ただ一般的には、なかなかあり得ないと思います。
労働裁判のように、具体的詳細な事実までを認定するわけではないので、事実解決の解明に重きを置く場合には、きちんと詳細な証拠を提出し、証人尋問などを行う訴訟の方が適しています。
しかし、当事者間で早期に、柔軟に解決したい場合には、とても有用な制度だと言えるでしょう。
是非積極的にご活用下さい!(なお、通常訴訟と違って、個人本人のみで行うことはできず、弁護士を付ける必要があります)。
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